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腰痛は無くせるのか?
腰痛は筋肉の硬さや骨の位置異常などが根拠
一般的な考え方は
腰痛の原因は何らかの異常であり、異常を正常に戻せば治る!
という論理展開だと思われます。
しかし、医学的事実は構造の異常と腰痛はイコールでは無いと言っています。
構造の異常があっても痛くない人はいるのです。
では、どうするか?
腰痛をコントロールする。という考え方
当院がオススメは、腰痛を無くそうとするのではなく可能な限り良い状態を維持する様にコントロールしよう!という考え方と行動です。
・治そう
・ゼロにしよう
という気持ちは理解出来ますが、この様な心理状態は返って痛みに意識を向けやすく改善から遠退きます。
痛みに対しては2つの行動しか取れません。
・痛みを減らす行動
・痛みを増やす行動
腰痛をコントロールするとは、
・痛みを減らす行動の数⇧
・痛みを増やす行動の数⇩
という事です。
当院の知療法
【ステップ①】
整体や運動で身体の機能を向上
【ステップ②】
痛みの授業で腰痛や痛みに対する理解を深める
【ステップ③】
腰痛改善にメリットのある行動を増やす様に生活に取り入れる
【ステップ④】
より個別性を高める様に一緒にコントロール法を修正する
脳内の痛みを薄める運動
痛みと脳の結び付き
「腰を曲げる度に痛む」
こんな経験を幾度となく繰り返すうちに脳に痛みが記憶されます。
厄介な事に脳は感覚や体験を色々な物と結び付ける特性があります。
例えば
・動きや動作(姿勢も含む)
・シチュエーション(どこにいるか?誰といるか?など)
など
複数ある程に脳に強く印象的にこびり付きます。
結び付きを弱める為の運動
当院で行う体操や運動の一部は、この痛みと脳の結び付きを弱める事を目的に行うものがあります。
例えば
「腰を曲げると痛い。」
腰や股関節の屈曲動作と痛みの結び付きが強い場合
【ステップ1】
痛くない範囲、痛くないポジションで腰を曲げるエクササイズを行う。
腰を曲げる=痛い
と認識している脳に、動かしても痛くない!という経験をさせます。
【ステップ2】
あえて痛みを感じる動きを取り入れます。同時に痛みの仕組みをお伝え、理解して頂く事で脳に
腰を曲げる動きは危険では無い、悪化する訳では無い。
と解釈出来る様にします。
これは前提として痛みの授業が必要です。
脳の判断を変化させる
どちらの場合も痛みを感じる動作に対して脳内に
・危険
・悪化する
・歪む
・筋肉を硬くする
・千切れる
など危険を想起させる情報ばかりがあるために余計に腰痛を感じ、長引かせている訳です。
腰痛は腰自体の構造や状態を正しく投影していません、脳というフィルターを通ります。
脳のフィルターが誤ったり、偏ったりすれば結果(痛み)は良くも悪くも変化します。
姿勢の本質
結論から
良い姿勢、悪い姿勢は存在せず、同じ姿勢を取り続ける事がマイナスに働く事があります。
姿勢神話のウソ
✓姿勢が悪いと歪む
✓姿勢が悪いと筋肉の負担
✓姿勢が悪いと痛くなる
✓良い姿勢は身体の負担を減らす
姿勢は痛みと多少関係がある程度で、よく言われる話は「昔からそう言われているから、そうだ」という慣習的な考えです。
科学的根拠や仕組みは説明出来ません。
姿勢の形より・・・
良い姿勢と悪い姿勢という形ばかり語られがちですが、重要なのは維持する時間です。
良い姿勢であっても同じ姿勢でずっといれば辛くなります。
色々な姿勢に切り替えながら過ごす方が良いです。
猫背のメリット・デメリット
✓メリット
筋膜や関節包、靭帯などのもともとの硬さ(剛性)に頼って、もたれる様に姿勢を維持できるので筋肉への負担が減ります。
✓デメリット
首の付け根へのストレスが増加、手のシビレを助長する可能性があります。
また呼吸が浅くなるという報告もあります。
いわゆる良い姿勢のメリット・デメリット
✓メリット
関節を包む膜や靭帯などがリラックス出来るので、関節のストレスが減る。
✓デメリット
関節のすぐ近くにある細かい筋肉に負荷がかかる、常に筋肉を硬くする必要があるので案外疲れる。
脚組のメリット・デメリット
✓メリット
片側のお尻に体重が乗りやすくなるので、組んでいる側のお尻や太ももの筋肉が圧迫されなくなり休憩出来る。
✓デメリット
組んでいるのと反対側の背中の筋肉やお尻の筋肉に負担が一手にかかる。
当院のアプローチ
全て姿勢には良い点も悪い点もあります。1つの姿勢を良いと伝えてしまうと、その姿勢ばかりに偏りデメリットも偏ります。
当院では実生活で活かせる生きたアドバイスをお伝えし、腰痛と楽に付き合える様に手助けしています。
膝も痛い
腰痛の人は膝痛も抱えやすい
腰痛の人の中で、膝痛も合併している割合は約12%と言われています。
10人に1人以上の方が、腰痛と膝痛の両方に悩まれており珍しい事ではありません。
なぜ?合併しやすいの?
まず腰痛や膝痛に悩む人の体質や職業特性、生活環境などが影響すると思われます。
加えて、身体の使い方に偏りが出やすい事が起因していると考えます。
・腰を曲げずに立ち上がる、階段を上り下りする
・膝を屈伸させない様に歩く、物を拾う
など
どちらか、または両方を庇うような動作が身体に染み付いている方が多い様に思います。
当院のアプローチ
大切なのはお尻の筋肉を元気にする事です。
お尻の筋肉は、
腰に対して
・仙腸関節の安定
・動作中の腰部筋群の緊張低下
膝に対して
・膝の筋力を補助
・太ももの筋肉の過剰な緊張を低下
などの効果があり腰痛、膝痛の両方にメリットがあります。
その為、当院ではお尻の筋肉のエクササイズや股関節の可動性をあげるエクササイズドリル(宿題)を提案します。
不安感情と痛み
不安は痛みを強くする
不安や恐怖など負の感情を抱くと脳の扁桃体(ヘントウタイ)という部分が活性化します。
扁桃体は視床下部(自律神経の司令塔)に連絡して
・ストレスホルモンの分泌
・脈拍、血圧の上昇
・筋緊張の増加
・痛み感度の増加
などを引き起こします。
過剰な防御行動
・腰に負荷をかけてはいけない
・慢性腰痛は悪化する
・歪みがあると神経を圧迫する
など
この様な間違った情報ばかり与えられた人は、腰痛を過度に恐れ不安視してしまい過剰な防御行動を取ってしまいます。
・負荷をかけない様に過ごす
・良いとされる姿勢に固執する
・運動を控える
など
今のコロナ対策とも似た過剰な防御行動が余計に痛みを増やしたり、身体の機能を低下させ、気分を悪くしてしまいます。
腰痛の特性を知る事が大切
当院で実施するアプローチは、個人的経験的で慣例的な情報では無く科学的、医学的に妥当な情報をもとに腰痛を知る事から始めます。
それは腰痛という物のあなたの捉え方、脳の処理を変化させ痛みを低下させるのに必須だからです。